むしくいブログ
【B06】魅惑の甘いお菓子 備忘録
こんにちは。もじもじです。
私はエッセイや暮らしの本をよく読みます。
個人的な読書感想となってしまいますが、宜しければご覧ください📚
今回の本紹介はこちら⇩
タイトル:レモンパイはメレンゲの彼方へ
著者:もとしたいづみ
ホーム社
私は甘いものよりも、塩っぱいもの好きだ。
甘いお菓子と塩っぱいお菓子があれば、最後は塩っぱいお菓子で締めたい。
そんな反甘党な私が手を伸ばしたのが、こちらの一冊『レモンパイはメレンゲの彼方へ』。
この本には甘いお菓子にまつわる思い出話やエピソードが、
時折、絵本のストーリーと併せて紹介されている。
思えば、子供の頃の思い出と言えば、塩っぱいお菓子よりも
甘いお菓子の方が多いように思う。
母が作ってくれた洋菓子といえば、プリン、おからのマフィン、ピーナッツクッキーなどがあったが、中でも私が一番好きだったのは、
チョコレート(もしくはココア)のパウンドケーキである。
数えるほどしか食べた記憶がないのだが、このお菓子が最も好きであった。
焦げ茶色のホールケーキの上に、レース状の模様の粉砂糖がかかっている。
この非日常感あふれる見た目が、幼い私を魅了させた。
甘いものにまつわる記憶はもう一つある。いちごジャムである。
子供の頃に町内会の防災訓練なのか、何かのイベントだったのか定かではないが、
町内の集まりに父と参加した時のことである。
何かのタイミングで父と分かれ、私は町内のおじさんと父の帰りを待つことになった。
そこでおじさんがくれたのが、いちごジャムだった。
丸いプラスチックケースに入ったジャムとスプーンをくれ、「食べていいよ」と一言。
私はジャムだけを舐めていた時、叱られたことがあったので、思わず「食べていいの?」と聞き返してしまった。
お母さんに叱られるかもという罪悪感と、ジャムを食べるという夢が叶う嬉しさとで、心が迷子状態だった。
スプーンいっぱいに掬ったいちごジャムは、あまり美味しくなかった。
甘くてもちろん美味しかったのだが、ジャムはパンやヨーグルトと一緒に、遠慮がちな量を食べてこそ美味しいもの。
当時の私はそれに加えて、怒られるかも、虫歯になるかもという、えも言われぬ不安に襲われ、美味しく感じなかった。あの時は確か、二匙程でやめたように思う。
親になった今分かったのだが、甘いものは子供からなるべく遠ざけたいもの。
私自身が、娘位の年齢の頃に虫歯でかなり辛い思いをしたので、甘いお菓子に対してはブレーキが強まる。
一方、子供からしたら、親からストップがかかる甘いものは永遠の憧れ。
ダメと言われれば言われるほど、手を伸ばしてしまうことになる。
だから、子供の頃って甘いお菓子の思い出の方が多いのか、と一人で納得してしまった。
大人になった今では塩っぱいもの好きになったが、ショーケースに並んだ色とりどりのケーキにはつい目を奪われてしまう。
最近、娘が「〇〇ちゃんもケーキ食べたい」とぽろっと言った。仕上げの歯磨きの手にも思わず力が入る。甘いお菓子恐るべし!
- 甘い思い出
- 夢と罪悪感
- 子供にとって、永遠の憧れ
- 魅惑の甘いお菓子
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
読んだら食べたくなり、食べたら読みたくなるエッセイでした。
ほっこりするエッセイですので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。