むしくいブログ
【B18】旅ごはん 備忘録
こんにちは。もじもじです。
私はエッセイや暮らしの本をよく読みます。
個人的な読書感想となってしまいますが、宜しければご覧ください📚
今回の本紹介はこちら⇩
タイトル:旅ごはん
著者:小川糸
白泉社
今回、図書館から借りてきたのは小川さんのエッセイ『旅ごはん』。
旅の途中で出会った料理や食べ物は、旅が終わってしまうと口に出来なくなってしまうからこそ、余計に美味しいんだよな〜とふと思う。それが海外旅行なら尚更である。
本書『旅ごはん』には、小川糸さんが愛してやまない旅の味がたくさん詰まっている。インド、リトアニア、ドイツ、韓国、南フランス。
読んでいると、食べたことのないはずの味が口の中に広がっていく。私も海外旅行の忘れられない、もう一度食べたい味がある。私の場合は、ご飯ではなくおやつである。
一つ目のおやつは、アメリカで宿泊した宿で提供された、チョコチップクッキーである。大学生の頃、フィールドワークの勉強をするため、アメリカのサンタフェに2週間近く滞在した。その間3つ程宿を利用したのだが、その中の一つの宿では、入り口の受け付けカウンターの近くに、飲み物を自由に飲める休憩スペースが設けられていた。
そこには常に、小さなカゴにチョコチップクッキーが盛られていて、いつでも食べてもいいのである。大きくて、しっとりしているクッキーは日本で食べるそれとは違い、外国の味がして、どこまでも甘くて、でも胃もたれしてしまうようなしつこさがなく、いくらでも食べてしまう程美味しかった。休憩スペースでココアとチョコチップクッキーをつまみ、「虫歯ウェルカム!」と心で叫びながら、その宿での時間を最後まで楽しんだ。
二つ目のおやつは、同じくアメリカで出会ったパンである。アメリカ滞在中に、夕食を食べに、学生みんなでアメリカ南部の伝統料理が食べられる店へ出かけた。
メイン料理が来る前に、提供されたのがそのパンである。本当はおやつではないのだろうけど、私にとってはおやつそのものだった。そのパンは揚げてあり、食べる時に確か蜂蜜バターのようなソースをつけて食べるのである。これがとても美味しくて、みんなと分け合って食べなければいけないのが、ひとり不満に思っていた。肝心なメインの伝統料理の記憶はなく、強烈に残っているのはこの揚げパンの味である。
最後三つ目の恋しいおやつは、フランスで買ったお土産のクッキーの味である。卒業旅行でドイツ、スイス、フランスに行き、フランスのパリでは可愛らしいクッキー屋さんに立ち寄った。店内は所狭しと、カラフルなクッキー缶で溢れ、ハリーポッターに出てきそうな鮮やかな世界と美味しそうなクッキーにあれこれ目移りしてしまった。
そこで、あるクッキーを味見をさせてもらい、家族用のお土産に買って帰ったのだが、出来ることならそのクッキーをもう一度食べたい。クッキーは確かシトラスの味だった。柑橘の爽やかな甘さで、日本に戻って「フランスの味だ〜!」と貪るように食べてしまった。お店の名前も忘れてしまったし、お菓子の缶もとうの昔に捨ててしまったし、お店を探し出すヒントはひとつもないけれど、きっといつまでも忘れられない味だと思う。
旅行の醍醐味はこのような美味しいおやつやご飯に出会えることかもしれない。海外旅行はなかなか行けないけれど、今度は国内で美味しいおやつ探しをしようと思う。