むしくいブログ
【B02】海苔と卵と朝めし 備忘録
こんにちは。もじもじです。
私はエッセイや暮らしの本をよく読みます。
個人的な読書感想となってしまいますが、読書感想文の基本となる
『起・承・転・結』の参考になると思います。
今回の本紹介はこちら⇩
タイトル:海苔と卵と朝めし
著者:向田邦子
河出書房新社
作家、向田邦子氏が小学生の時、クラスメイトに身体が弱く、勉強もビリで、貧しい家庭の I という女の子がいた。
遠足当日の朝に彼女の母親から「これみんなで」と大きな風呂敷に包まれた大量のゆでたまごを渡される。
母親は他の保護者からは一人離れて、娘を見送っており、向田氏は愛という文字を見るとなぜかこの時の汚れた風呂敷とぽかぽかとあたたかいゆでたまごの温もりと、いつまでも見送っていた母親の姿を思い出してしまう、と述べている。
I にはもう一つ運動会の時のエピソードがある。
徒競走で他の子たちが皆ゴールして、I が一人、
足を引きずりよろけながら走っていた時のこと。
I が走るのをやめようとした時、年配の女の先生が飛び出し、ゆっくり走り、
一緒にゴールしたという。
その先生は小言の多い気難しい先生で一番人気のない先生であった。
ゴールした子は、校長先生から鉛筆1本貰える為、先生と一緒に校長先生の前に行き、
校長先生も立ち上がり、身を屈めるようにして I に鉛筆を手渡したという。
愛という字の連想には、この光景も浮かんでくる、と向田氏は述べている。
本エッセイで私が最も好きな一節がこちらである。
『私にとって愛は、ぬくもりです。小さな勇気であり、やむにやまれぬ自然の衝動です。
「神は細部に宿たもう」という言葉があると聞きましたが、私にとっての愛のイメージは、
このとおり「小さな部分」なのです。』
子どもが生まれてからは私にも「やむにやまれぬ衝動」は幾度となくあった。
夜中、子どもの布団がはだけていればかけ直し、食事中はコップをこぼさない位置に移動させ、暑ければ水を飲む様に促す。
まだまだ自分が想像するぬくもり溢れる「母親」になりきれていないし、ぬくもりを与えている自覚もない。
しかし、その受け手と第三者がそう感じた瞬間に、その行いはぬくもりある行動になるのではないかと本作品を読みながら考えた。
バスで席を譲る、荷物を代わりに持つ、困っている人を手助けする、手伝う。
それが知らない相手に対してなら、小さな勇気が必要であるし、誰かを想いながらの行動全てには愛がつまっている。
私自身も I の母親や、女の先生のように第三者にも感じれる程のぬくもりを与えられるようになりたい。
- 愛を感じた記憶はいつまでも新しい
- 愛はぬくもりであり小さな勇気
- 小さな愛が積み重なり大きくなる
- 自覚がなくても愛は伝わっている
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
”愛”はぬくもりであり、それは小さな部分であることに気付かされました。
心温まるエッセイですので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。