むしくいブログ
【B07】LIFE SHIFT Part2 学びのタネ
どうも、ふむむんです。🐛
ここでは本を読んで、私の人生に学びを与えた言葉や考え方を紹介したいと思います。
前回に続き今回もこちらの本を紹介します⇩
タイトル:LIFE SHIFT
著者:リンダ・グラットン / アンドリュー・スコット
東洋経済新報社
【自分にとって価値あるアイデンティティを形成していく】
アイデンティティ。長い人生で多くの変化を経験する時、過去と現在と未来を結びつけ自己意識を形づくる。
私は手間暇かけて色々な経験をすると自信に繋がるような気がする。
初めは家事を一通り自分でできるようになることから、家計管理、引越し手続き、自家用車があれば車庫証明を取得したり、野菜を自家栽培したり、本棚や踏み台をDIYしたりと。
自分でできることが広がると自然と興味も湧いてきて、その度に他にどんなことができるかを知るために本を読んだりして試す。
そうやって人は学んで試してを繰り返して成長していき、自分の価値を形成していくと思う。
若い頃は周囲の環境が面倒事を避ける人が多く、自分も手間暇かけたくないと思う。
しかし、それは経験をするチャンスを逃しているだけ。
意外とやってみると興味が出るものもあるかもしれない。
【本のあらすじ・学びのタネ】
本のあらすじを簡単に紹介すると。
『1945年生まれ、1971年生まれ、1998年生まれの3人の平均寿命は異なることで勉強→仕事→引退の基本的な人生計画も破綻してきている。若い世代になるほど老後の人生計画を前もって考えておかないと、長生きをする恩恵を得ることができない。』
また、2060年日本の人口は1億3000万人→8700万人に減少すると予測されている中で、雇用の未来について考えること。有形資産だけでなく、優しい家族や素晴らしい友人、高度なスキルと知識、肉体的精神的な健康に恵まれた人生、目に見えない無形資産を形成すること。
年金は70歳以降または減額給付する前提の新しいライフスタイル、長寿化で増えた時間をどう有効活用するか、人生の計画を立てるために不可欠な金融リテラシー(お金に関する知識・判断力)、娯楽と自己投資に使う時間の考え方、楽して同じやり方や行動を繰り返すだけでは過酷な老年期が待っている。
前回紹介した内容をさらに深掘りでライフモデルの考え方を紹介したいと思う。
私なりにこの本の学びのタネは8つです。
- 雇用の未来
- 見えない資産
- 自己像
- 新しいシナリオ
- 新しいステージ
- 新しいお金の考え方
- 新しい時間の使い方
- 変革への課題
現在を生きることはもちろん大事であるが、自分の将来をどう生きるかをよく考える。
いつまでも雇用の身として給料をもらい続けることも困難になるだろう。
年金生活を充実できるほど給付金がもらえるとも限らない。
それでも生活費を最低限確保しながら生きるためには、自分の力でお金を生み出す力をつける必要があると考えている。
将来を考えると言っても、遠い未来で不透明なため現実的に想像することが困難だと思う。
だからと言って何も考えない判断をしてしまっては、いつまでも不安のままである。
まずはやりたいことは何か、どのような環境でどう生きたいかを箇条書きにしてみてもいいかもしれない。
【雇用の未来】
本書籍では『将来は一人一人がスマホと同様、能力を強化するために選び、プログラムした機械を現場に持っていく時代がくる』と表現している。
そして機械学習とセンサーのイノベーションにより、マニュアル化できる仕事はロボットが対応する。
身近ではお掃除ロボットが店内を掃除したり、飲食店ではロボットが料理を席まで届けたり、セルフレジが主流となったりとマニュアル化できる仕事は人から機械にシフトしている。
今後の未来も、さらにマニュアル化できる仕事は機械に切り替わっていくだろう。
そうした時代でも人が働くためには、人間固有の能力を持ちテクノロジーに優れている必要があるだろう。
①複雑な問題解決に関わる能力、専門知識や帰納的推論の能力、コミュニケーションスキル
②対人関係と状況適応の能力
上記の二つの能力が求められる時代が来るだろう。
人間がロボットや人工知能より優れた課題処理力を持つこと=『創造性、共感、問題解決』であると伝えている。
自らの手で価値を生み出し売っていく。
そのために、長寿化で増えた時間を活用していけるといいのではないだろうか。
【見えない資産】
見えない資産とは具体的に何なのか、どうして今の時代で求められるようになったのか。
19世紀は産業革命の時代で、物的資本が経済の原動力だった。
20世紀は教育と人的資本が大きな価値を持った時代だった。
21世紀は他人が複製したり購入したりできるようなアイデアとイノベーションを創出することを通じて、経済的な価値が生み出される時代となるだろう。
そこで、本書籍では以下3つの見えない資産を推奨している。
①生産性資産:スキルと知識の構成要素である
→仕事の生産性を高め、所得とキャリアの見通しを向上させるのに役立つ資産
→新しいアイデアと創造性を育むのを助ける
→人間ならではのスキルと共感能力を発揮
→思考の柔軟性と敏捷性など、あらゆる分野で通用する重要な汎用スキルを育むこと
②活力資産:肉体精神的な健康、友人関係、パートナーや家族との関係、幸福
③変身資産:大きな変化を経験し、多くの変身、新しい経験に対して開かれた姿勢が必要
→会社仲間との人脈といった職業上の社会関係資本
→職業の評判だけでなく、SNSなど個人のブランドと評判を管理する必要がある
→脳の機能低下ペース、遺伝的要因、生活習慣(日々の行動、コミュニティとの関わり方、人間関係の強さ、肉体的健康、食事)
これらの資産をベースとして、自己像を築き上げていく必要があるだろう。
自分を知り、未来の自分の可能性を知ること。
人は新しい人的ネットワークに加わり、考えることではなく、行動することによって変化に到達する
自己像は自分についての知識と組み合わさり、未来に取るべき行動へと促す強力なインセンティブ(刺激、動機、励み、誘因)となるだろう。
【新しいシナリオ】
今までの伝統的なライフモデルは家族形態の場合、夫が生涯を仕事に集中し有形資産を築き、妻は子供の世話、地域コミュニティ、友人付き合いなど無形資産構築および維持を担っていた。
これからは共働きのライフモデルが主流となり、老後の人生も長くなるため生活資金の蓄える所得期間が長くなるだろう。
そのためポートフォリオ型、起業家型のシナリオが選択肢になるかもしれない。
週休3日の勤務体系が強力な選択肢となり、自己投資に使える時間ができる。
知識やスキルを身につけるチャンスとなるかもしれない。
【新しいステージ】
一部の国では『ギャップイヤー』を導入しているそうだ。
就職前に1年留学、インターンシップ、ボランティア、旅など社会体験活動をすること。
どういう分野で自分が役立てるかを見極めるために、有意義に過ごせるかもしれない。
本書籍では新しく3つのステージが出現すると表現している。
ポートフォリオ型:自分が心底楽しめる活動へ移行することで高揚感を味わえる。
エクスプローラー(探検者):興奮、好奇心、冒険、探査、不安といった要素が発見の連続となる。周囲の世界を探査し、そこに何があり、その世界がどのように動いているか、自分が何をすることを好み、何が得意かを発見すること。
インディペンデント・プロデューサー:新しいタイプの起業家、自分の職を生み出す人。
事業を成長させて売却目的にはせず、成功よりもビジネスの活動自体を目的とする。
選択肢を理解し、相性のいいものを選ぶ、正しい道を選び取るために時間を費やすことの重要性が高まるかもしれない。
今まで以上にこれからは、自分を知り何を強みとして発信していくかが重要となるだろう。
【新しいお金の考え方】
お金についても楽観視はできなくなってくるだろう。
安易な解決策に飛びつく人の特徴は以下だと伝えている。
①引退後に最終所得50%未満のお金で生活できると楽観する
②マイホームの資産価値を頼りに資金を調達できると当てにする
③積極的に投資をすれば投資利益率を高められると考える
働けている時は収入源があるため、安心できるかもしれないが、それでも金融リテラシー(お金に関する知識、判断力)は勉強しておいて損はないだろう。
本書籍では簡単なマネーリテラシー診断が記載されていたので、力試しに解いてみてはいかがだろうか。(答えはページ一番下)
〜マネーリテラシー診断〜
- あなたが銀行に100ドル預けて、利息は年に2%だとする。預金を引き出さない場合、5年後にはいくらになっているか?
- 預金の利息が年に1%で、インフレ率が年に2%だとする。1年後、あなたがその口座のお金で買えるものは増えるか、変わらないか、減るか?
- 『一つの企業の株式を購入することは、投資信託を買うより一般に安全性が高い』この主張は正しいか、間違っているか?
- 『15年物の住宅ローンはたいてい、30年物の住宅ローンに比べて月々の返済額は多いが、返済する利息の総額は少なくて済む』この主張は正しいか、間違っているか?
- 金利が上昇した時、債券の価格はどう変動するか?
お金について親や学校の先生から教わることは少ないだろう。
だからこそ自分から積極的に学んでいく必要があると思う。
金融に関する書籍を2、3冊読むだけでも上記のマネーリテラシー診断の解答率は上がるだろう。
【新しい時間の使い方】
長寿化の恩恵として、具体的にどのくらいの時間が増えたのか。
1週間168時間、70歳は61万1000時間、100歳まで生きれば87万3000時間となる。
また産業革命時代の西洋は、1日10〜16時間を週6日働くのが標準だった。
現在の日本では1日8時間、週休2日制を標準としている。
長寿化で時間が単純に増えただけでなく、1日で自由に使える時間も増えているのだ。
レクリエーション(娯楽)に時間を消費するのではなく、自己のリ・クリエーション(再創造)に時間を使っていきたい。
今後は個人レベルでの自己改善への投資活動に力を入れていく環境が広がるかもしれない。
【変革への課題】
『私は何者か?』『私はどのように生きるべきか?』という問いに答える。
楽して同じやり方や行動を繰り返すだけでは過酷な老年期が待っていると伝えている。
雇用する側も以下6つの課題が求められているそうだ。
①有形と無形資産に関して企業が発するメッセージのバランスを取ること
②人生での移行を経験、成功させるために必要な変身資産を構築維持するのが容易でないことを理解して、必要な支援を提供すること。
③キャリアに関する制度や手続きを見直して、3ステージの人生を前提〜マルチステージの人生を前提にしたものに改めること。
④仕事と家庭の関係の変化を理解すること。
⑤年齢に対する考え方を改めて、年齢を基準にするのをやめること。
⑥従業員にどのような働き方を認め、人材採用時にどのような経歴の持ち主を評価するかに関して、実験を容認評価すること。
目先の快楽は時に我慢をして、無形の資産に目を向ける必要がありそう。
アイデンティティを形成するためにも、常に変わり続けることが大事ではないだろうか。
また、転職する際は6つの課題ポイントに注力しているかどうかも一つの判断指標にしてもいいかもしれない。
【100年時代を生きる自分】
未来の人間関係についても、時間のプレッシャーが厳しい仕事に就くか?勤務時間をあまり自由に決められない仕事に就くか?スケジュール変更に柔軟に対応しなくてはならない仕事に就くか?チームのメンバーと常に一緒にいなくてはならない仕事に就くか?自分にしか担当できず、他の人に代わってもらえない仕事に就くか?
環境によって人との関わり方も変わってくるだろう。
長生きをする上でより長く働く必要が出てくる時代で、人間関係を理由に収入源を断ち切るも苦しい判断となるだろう。
そうならないためにも、働く環境や一緒に働くパートナーも見極められるようになっていきたい。
自分が自分らしく100年時代を生きるために、必要な知識やスキルは若いうちに投資していくことがいいだろう。
自己効力感(自分ならできる、という認識)と、自己主体感(自ら取り組む、という認識)が重要になっていくかもしれない。
【まとめ】
この本での学びのタネは8つです。
- 雇用の未来
- 見えない資産
- 自己像
- 新しいシナリオ
- 新しいステージ
- 新しいお金の考え方
- 新しい時間の使い方
- 変革への課題
本書籍を読んで想像していなかった未来が待ち受けていると気付かされた。
同時に知れたことで未来の自分に希望を持つことができた。
道のりは険しく長いかもしれないが、100年時代を生き抜くために必要な力を着実につけていけたらと思う。
興味のある方は『LIFE SHIFT2』もあるので、そちらも読んでみてはいかがだろうか。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
本書籍では学びのタネがとても多く、吸収しきれていない部分もあるかもしれない。
将来について考えさせられるため、ぜひみなさんにも読んでいただけたらと。
〜マネーリテラシー診断の解答〜
- あなたが銀行に100ドル預けて、利息は年に2%だとする。預金を引き出さない場合、5年後にはいくらになっているか?
- →110ドル
- 預金の利息が年に1%で、インフレ率が年に2%だとする。1年後、あなたがその口座のお金で買えるものは増えるか、変わらないか、減るか?
- →減る
- 『一つの企業の株式を購入することは、投資信託を買うより一般に安全性が高い』この主張は正しいか、間違っているか?
- →間違い
- 『15年物の住宅ローンはたいてい、30年物の住宅ローンに比べて月々の返済額は多いが、返済する利息の総額は少なくて済む』この主張は正しいか、間違っているか?
- →正しい
- 金利が上昇した時、債券の価格はどう変動するか?
- →減少する